ベネヴェント Benevento

カンパニア州 ベネヴェント県

古代、紀元前8世紀頃からのサムニウムの主要都市のひとつで、マレウェントゥム(Maleventum 悪い風)と呼ばれていたが、ローマの植民地となった紀元前3世紀頃には、縁起が悪いということで、ベネウェントゥム(Beneventum 良い風)の名に変えられた。

ローマ帝国時代の建造物が残され、571年のロンゴバルド王国最南端の公国として栄えた頃の教会などが現在も見られる。大聖堂など多くの建物が第二次世界大戦の爆撃で壊滅的な被害に遭い、復興を遂げた。


魔女伝説

ベネヴェントに悪魔や魔女が集ってクルミの木の下で宴会をしていたという伝説がある。中世の頃には実際に魔女狩りも行われていた、ミステリアスな町。


見どころ

ほとんどの見どころは、中心街の真ん中を通るガリバルディ通りの両脇にあり、ローマ円形劇場は大聖堂の裏に位置する。


トラヤヌス帝の凱旋門 Arco di Traiano

紀元114年から117年の間、アッピア街道のブリンディシまで続くトライアーナ街道(Via Traiana)の完成を祝して建てられました。トラヤヌスの生涯と、その治世の偉業をたたえるレリーフが施されています。 ローマのフォロ・ロマーノのティトゥス帝の凱旋門(Arco di Tito)が見本になったと言われています。 

幹線道路であるアッピア街道はここ、ベネヴェントで、2つに分岐します。アリアーノ・イルピーノを通り、バーリ方面を通るのは、トライアーナ街道(109年)で、もうひとつは、現在のヴェノーザやターラントを通って、ブリンディシで合流。この分岐する地点の街だったので、重要都市だったのは間違いありません。この凱旋門は、ローマ時代の建造物でも、とても良い状態で残されています。

ローマ円形劇場 Teatro Romano

紀元2世紀にハドリアヌス帝が建て、カラカラ帝が修復。現在も野外劇場としてコンサートなどのイベントに使われています。

劇場入口付近ではマスケローネやライオン像などが迎えてくれます。演劇で使われていたのでしょう。

Santa Maria della Verità教会

17世紀の教会。


世界文化遺産 サンタ・ソフィア教会 S.Sofia

2011年に世界文化遺産に指定。「イタリアのロンゴバルド族:権勢の足跡(568‐774 年)」7つの建物のうちのひとつ。8世紀後半に、ロンゴバルト族のアリキス2世によって建設。ロンゴバルドの建築様式の典型的な建物。西ローマが崩壊し、北からロンゴバルト人が南下。このベネヴェントはイタリア半島のランゴバルト族の最南端の公国となりました。

現在のトルコ・イスタンブール、東ローマ帝国(ビザンティン帝国)の聖ソフィア大聖堂、アヤソフィア(コンスタンティノポリス)の影響があるそうです。 

教会前のオベリスクは、タレーランのオベリスクと呼ばれ、ライオン達が支えています。

ファサード入り口上の彫刻。

教会内部

ベネヴェント公の個人的な礼拝堂でした。8-9世紀に掛けてのフレスコ画がある。

教会後陣


サンタ・ソフィア修道院のキオストロ(中庭)Chiostro

12世紀のロマネスク様式の回廊。柱の一本一本の彫刻が全て異なるのが興味深い。教会向かって右の入口のサムニウム博物館から入れる。


サムニウム博物館 Museo del Sannio

 サムニウムの考古学博物館と、ナポリで学んだ人たちの17-18世紀の作品がある。


サムニウム現代美術館 ARCOS

ARCOS - Museo di arte contemporanea del Sannio

トラヤヌス帝の凱旋門の付近で発掘したイシス神殿の遺跡の出土品と、現在アートの展示。

ベネヴェントではローマ同様、古代ローマの頃には、多神教のイシス信仰(イタリア語ではイシデ信仰)が盛んに行われていました。イシス神の彫像、ドミティアヌス帝のオベリスクは必見。


インフォメーション・オフィスにある博物館 M.I.T.O.

サンタ・ソフィア教会の広場にあるトゥーリストインフォメーション、ブックショップにはサムニウム博物館の分室があります。主に石棺と彫像の博物館。






エジプトのオベリスク Oberisco Egizio

ガリバルディ通り沿いのパピニアーノ広場にある、ドミティアヌス帝のオベリスク。


ドゥオーモ(大聖堂)

Cattedrale di Sancta Maria de Episcopio (Duomo)

フォロロマーノがあった場所に、780年に設立された。12世紀のピサのロマネスク様式のファサードとブロンズの扉(キリストの生涯とベネヴェントの大司教区がテーマの彫刻)、 1280年にゴシック様式の鐘楼に改築されたが、第2次世界大戦の爆撃でほぼ全壊。 ファサードと鐘楼、地下の礼拝堂のフレスコ画だけが残された。戦後1965年に近代的に再築。 2005年と2012年にまた修復し、現在の姿に。

司教区博物館 Museo Diocesano

倒壊前に大聖堂にあった貴重な美術品を展示。



レットリ要塞 Rocca dei Rettori

14世紀にロンゴバルド王国の要塞跡に建てられた、ベネベントの城と言われている建造物。


鐘楼 Campanile

サンタ・ソフィア教会の前にある鐘楼。オリジナルは、1038年から1056年の間に、ロンゴバルド族のベネヴェント公アレキ2世(Arechi II)のお墓を守るために建てられたが、1688年の地震で倒壊。現在あるのは1703年のもの。

南と東側の面に、サムニウム国と、ベネヴェント公国の大理石でできた地図が貼り付けてある。




聖イラリオ教会 Chiesa S.Ilario

アウレア門の聖イラリオ教会博物館(Museo dell'Arco Chiesa di Sant'Ilario a Port'Aurea)

10世紀の教会跡で、古い遺跡の上に、6-7世紀にロンゴバルド人が建設したのが始まり。 かつて中世の頃には城壁の一部になっており、 この教会の名の由来の、アウレア城門がここにありました。 7.8世紀の壁の一部などが残されています。見学は有料。

サクラメントの門 Arco di Sacramento

紀元1世紀から2世紀にかけて造られた門。大聖堂に隣接して建ち、付近にはローマ帝国時代の遺跡が多く残る。

中世の庭 Hortus Conclusus

ガリバルディ通りにある教会跡、 聖ドメニコ教会(Chiesa di San Domenico)の畑でした。敷地内には、ミンモ・パラディーノ(Mimmo Paladino, 1948年12月18日 - 現在は生まれ故郷のベネヴェント県のパドゥーリで制作中)本名Domenico Paladino さんの作品が展示されている。 1980年代イタリア中に吹き荒れた「トランスアバンギャルド」として知られる表現主義リバイバルの一翼を担った。




その他の見どころ

旧アッピア街道 Appia Antica

鉄道駅付近に古いアッピア街道が現在も見られます。


レプローゾ橋 Ponte Leproso 

ローマ帝国時代の古い橋


アルサ門 Port'Arsa

545年に建てられ、ロンゴバルディが修復した門 


サン・クリスティアーノの浴場 Terme di San Cristiano

2世紀始めのローマ建築の浴場。


地下回廊  (criptoportico) Santi Quaranta

紀元前1世紀から紀元1世紀までの間に建てられたとされる、長い地下回廊。



特産品

ストレーガ リキュール STREGA

ストレーガ社の1860年のリキュール、黄色いのはサフランを使っているが、レシピは秘伝。イタリアで有名な文学賞はこのストレーガ社が主催。



アルベルト・ストレーガ

トッローネ、チョコレート



直営バール Caffè Strega




町並み写真集

レットリ大通り Viale dei Rettori

Via del Pomerio

vico Ⅲ Triggio




役所HP

参考





ブログ





EDICOLANTEのイタリア小さな可愛い街の旅行記とコラム

イタリア在住15年。現在住んでいるローマを中心に旅した記録をまとめるサイトです。 ブログは、ほぼ毎日アメーバブログで書いています。 http://ameblo.jp/edicola コラムニスタとしてイタリア関連の記事も書いています。 お気に入り旅写真をアップし、地域別におすすめイタリアの小さな可愛い街の旅行記をまとめていきます。

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