バルジェッロ国立美術館 Museo nazionale del Bargello

★ バルジェッロ宮の建物

1255年、2階建ての建物がボロニャーナ塔(Torre volognana )のそばに建てられた。ファサードにその旨の碑文が貼られている。3階が増築(Palazzo dei Boscoli部分)されたのは1323年の火事の後で、使われているレンガが小さいので増築部分が識別できる。

銃眼がいくつも見られる外観。

★ ボロニャーナの塔 Torre Volognana

57mの高さ、鐘を使い市民とコミュニケーションを取っていた。


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★ バルジェッロ国立美術館

1865年、美術館となった。14世紀から17世紀のゴシック様式やルネサンス期の彫像などが収められている。


主要作品

1階

● 中庭

1280年から1285年の間に作られたポルティコには、司法長官や裁判官の紋章が貼られている。

● 回廊下

★ ジャンボローニャ作『大洋』Oceano

★ バルトロメオ・アンマンナーティ作『Ricostruzione di una fontana』

ヴェッキオ宮殿の噴水のために制作開始されたが、未完に終わった。メディチ家郊外の別荘地2ヶ所に分けて置かれていたが、博物館展示のために合わせられた。


● ミケランジェロの間

入り口直ぐ右にある古い建物部分の部屋。ミケランジェロの作品を中心に1500年代の彫像が展示されている広間がある。

★ ミケランジェロ作『バッカス』

若い酒の神バッカス。Bacco 1496-1497年。ローマで制作。デビュー作『ピエタ』と同じ頃の作品。

ブドウは“生”の象徴、“ライオンの皮”は死の象徴。

★ ミケランジェロ作『アポロ』

未完の作品。Apollo 1530年

★ ミケランジェロ作『ブルータス』Bruto 1530-1540年頃

古代の彫像に似せ、未完成というテクニックを使った強烈な印象の作品。


★ ミケランジェロ作『聖母子』

ミケランジェロが28歳の時の円形レリーフ。 Tondo Pitti 1504年

ピッティ家のために制作された。聖母の後ろはヨハネ。ふたりの幼児を描くのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの影響がある。

★ ジャンボローニャ作『マーキュリー』Mercurio volante

★ ベンヴェヌート・チェッリーニ作『コジモ1世胸像』

チェリーニの初めてのブロンズ像の作品。1545年頃

★ ベンヴェヌート・チェッリーニ作『ペルセウス像』の土台 

ゼウス、マーキュリー、ミネルバ、ダナエーのブロンズ像。ペルセウス像(Piccolo perseo)と一緒に、シニョーリア広場のロッジャ・デイ・ランツィに展示されていた。1545-1554年

★ ベンヴェヌート・チェッリーニ作『ガニュメーデース』Ganimede

1550年。ギリシャ神話に出てくるトロイアの美少年の王子。ゼウスはガニュメーデースの美しさを愛し ガニュメーデースをさらい、ゼウスの使いの鷲、ゼウスが鷲の姿に変じてさらった等の説がある。

★ ベンヴェヌート・チェッリーニ作『ナルシス』

(次回観察)

★ Baccio Bandinelli 『アダムとイヴ』Adamo ed Eva

1550年

★ サンソヴィーノ作『バッカス』


★ ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ作『コスタンツァ・ボナレッリの胸像』



2階

● ボデスタの礼拝堂 Cappella

1280年以降に建設。ダンテ・アリギエーリの最古の肖像画の壁画が残る。ミケランジェロ作だと言われている木製十字架と、1340年頃のジョットの弟子たちの作品がある。

★ ミケランジェロ作だと言われている木製十字架 Crocifisso Gallino

(次回見学)Crocifisso Gallino

★ ダンテ・アリギエーリの最古の肖像画

(次回見学)


● ボデスタの広間 Collezione Carrand

パリ出身のカッラン家(Louis Carrand)が所有していた折衷主義のコレクション。



● 塔の間 Arte Islamica

塔の側の部屋。メディチ家やカッラン家が所有していた、西アジアのタペストリー、ブロンズ、陶器などが展示。


● ドナテッロと1400年代の彫刻の間 Opere presenti nel Salone di Donatello e della scultura del Quattrocento

1887年には代表委員会の大広間として使われた部屋。結婚道具などの古い家具なども展示されている。

★ ドナテッロ作『マルゾッコ』

1419~1420年ドナテッロ作。フィレンツェの紋章を掲げているライオン像。ピエトラ・セレーナ(Pietra serena)と呼ばれる青みがかったきめ細かな砂岩製。

フィレンツェにローマ教皇マルティヌス5世が来ることに合わせ、サンタマリア・ノベッラ教会の教皇の宿泊部屋に設置するため、フィレンツェ共和国が注文。その後、フィレンツェの象徴として、シニョーリア広場のヴェッキオ宮殿の正面入口に運んだ。現在は博物館に所蔵され、広場には複製が置かれている。

ゆりの花が開いた状態をイメージしているフィレンツェの紋章。フィレンツェの象徴のライオンとユリの花の紋章を合わせたものを“マルゾッコ”と呼ぶ。

↓ 詳しくはブログへ。

★ ドナテッロ作『ダヴィデ』

この大理石の着衣ヴァージョンはブロンズのダヴィデ以前の作品。

★ ドナテッロ作『ダヴィデ』

ブロンズ製。1430年頃で、古代ローマ以来初の裸体彫刻。

★ ドナテッロ作『聖ゲオルギウス』

オルサンミケーレ教会にあった。1416年 S.Giorgio

その他 ドナテッロ作『アモーレ』がある。

★ ドゥッチオ作『聖母子の浮彫』

アルノ川対岸のカルミネ教会のために作られた。1481年

★ ルカ・デッラ・ロッビア作『聖ペテロの殉教』

逆さ十字架にかけられる聖人の殉教

★ デッラ・ロッビア作『バラ園の聖母』

彩色テラコッタ。Madonna della Mela 1460年

★ ギベルティ、ブルネッレスキ作『イサクの犠牲』

1401年の洗礼堂の扉の浮彫。コンクールで最終審査に残った。acrificio di Isacco

★ 長持ち

中世の嫁入り道具の長持ち。浮彫彫刻がされている。


その他

★ デジデーリオ・ダ・セッティニャーノ作『青年の彫像』Busto di fanciullo

ルーカ・デッラ・ロッビア工房のデジデーリオ・ダ・セッティニャーノ作がある。


● マジョリカ(マヨルカ)陶器の間

15-18世紀のイタリア陶器、メディチ磁器が集められている。


● 象牙細工の間

★ ジョヴァンニ・デッラ・ロッビア作『受胎告知』


● ブルッツィケッリの間


● ロッジャ(ヴェローネ)Il verone

★ ジャンボローニャ『彫刻の愚意』Allegoria dell architettura

1565年、大理石彫刻。ジャンボローニャの理想の女性像である手足の長い女性の彫像の一例。1789年までボボリ庭園に展示されていた。

★ ジャンボローニャ『鳥』Uccelli 

1564年、フィレンツェ郊外のメディチ家の別荘(Villa medicea di castello)の洞窟のために作った様々な鳥のブロンズ彫刻。 当時は七面鳥はエキゾチックな存在だった。


● 聖具室 金銀細工



3階

● ブロンズ細工の間 Sala dei Bronzetti

ブロンズ製品のイタリアでも特に重要なコレクション。ルネッサンスのブロンズ彫刻やブロンズ製の日用品が展示されている。


● ジョヴァンニ・デッラ・ロッビアの間



● アンドレア・デッラ・ロッビアの間

★ アンドレア・デッラ・ロッビア作『女性像』

Ritratto di fanciulla 1465-1470



● ヴェロッキオの間 Sala del Verrocchio

1865年にフィレンツェの貴族の家紋が装飾された部屋。ヴェッロッキオと1400年代の作品が展示されている。

★ ヴェロッキオ『ダヴィデ』1475年


その他

★ ヴェロッキオ『聖母子』

★ ボッライオーロ『ヘラクレス』など


● 武器の間
● 織物
● メディチ家のメダルコレクション

(要予約?)




ブログ

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ジャンボローニャについて

チェッリーニについて




参考

ウィキ


Wikipedia

EDICOLANTEのイタリア小さな可愛い街の旅行記とコラム

イタリア在住15年。現在住んでいるローマを中心に旅した記録をまとめるサイトです。 ブログは、ほぼ毎日アメーバブログで書いています。 http://ameblo.jp/edicola コラムニスタとしてイタリア関連の記事も書いています。 お気に入り旅写真をアップし、地域別におすすめイタリアの小さな可愛い街の旅行記をまとめていきます。

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