アングイッラーラ・サバーツィア Anguillara Sabazia


ラツィオ州 ローマ県

ブラッチャーノ湖畔の街。歴史は共和制ローマ時代の紀元前2世紀から紀元前1世紀に遡る。 湖の底からは8000年前の村、マルモッタ"La Marmotta"が発見された。

アングイッラーラという町の名がついた理由が、町のアンゴロ(街角)にローマ時代のヴィッラ(屋敷)があったことから、もしくは、アングイッラーラ家が、湖で捕れるアングイッラ(ウナギ)から名前をとり、家紋にウナギのデザインを入れたから等、言われているが、はっきりしたことは分かってない。

1496年にチェーザレ・ボルジア (1475-1507)が征服。

この名がついた。Sabaziaはこのゾーン名で、ヴェネト州、パドヴァ県のアングイッラーラ・ヴェーネタ(Anguillara Veneta)と区別するために付けられた。

アングイッラーラの中心街


見どころ

サンタ・マリア・アッスンタ教会 Collegiata di Santa Maria Assunta

1500年代前半建設。建設初期の頃の左廊のにあるフレスコ画の保存状態を保つため、18世紀に改修、近年にも修復されたため、オリジナルの建築を今でも観ることができる。

主祭壇

ジローラモ・ムツィアーノ Girolamo Muziano『Vergine Maria Assunta in cielo』

ラファエロの弟子のムツィアーノ作

(聖母子のフレスコ画など未公開)

1792年にドメニコ・アラーリ(Domenico Alari)が設計したオルガンが設置してある入り口上部。

アングイッラーラ出身の彫刻家、イニャツィオ・ジャコメッティ Ignazio Giacometti

オルシーニ家に仕えていたアングイッラーラ出身の彫刻家、イニャツィオ・ジャコメッティ1819-1883(Ignazio Giacometti)による見事な石膏の多くの作品が教会側廊部分にある。

エッケ・ホモ『Ecce Homo』

ユダの接吻『Bacio di Giuda』

ローマのスカーラ・サンタに大理石像がある。

ラファエルとトビト『Arcangelo Raffaele e Tobia』

聖母とキリスト『Madonna con Cristo』


1500年代の城門 Porta cinquecentesca

1584年、ジャコモ・デル・ドゥーカ(Giacomo Del Duca)設計。ミケランジェロのアシスタントをして、ローマのピア門も作った建築家。旧市街への入り口。1500年代の中世の塔のある要塞オルシーニ宮殿が繋がっている。城門内側と外側に時計が仕掛けられている。

城門外側


城門内側

中世の塔 Torrione Medievale

1500年代の要塞で、その後、住居や牢屋として使われるようになった。現在は博物館(Museo della civiltà contadina e della cultura popolare)となっている。

旧市街を囲む要塞

戦死者慰霊碑

コムーネ(役所)Palazzo Baronale(Palazzo Comunale) 

オルシーニ家の建物。現在はこの町の役所として使われている。最上階のロッジャだった部屋に、1535年から1539年の間にラファエッロの弟子により描かれたであろう、フレスコ画がある。

ウナギの噴水 la fontana della Terra クラウディアの泉より

城門入って直ぐ左側のテラスの噴水。丘の上の教会にも多くの作品があるアングイッラーラ出身の彫刻家、イニャツィオ・ジャコメッティ(Ignazio Giacometti)作。この町のシンボル、ウナギの口から水が吹き出す

 アングイッラーラには、Clavdia (Claudia)と呼ばれる天然微炭酸の水が湧き出る泉がある。2009年に泉から、ヒ素とマンガンが検出されたため、一時閉められたが、現在はティオーネ社により浄水作業をされているお陰で給水が再開された。


グロンダレッラの小道 Vicolo Grondarella

この通りのほぼ全ての壁が煉瓦で出来ている。この町自慢の 紀元前一世紀のヴィッラ(邸宅)の名残、Villa romana di Rutilia Pollaがある。

紀元前一世紀のヴィッラ(邸宅)

Opus Reticulatum(Opera reticolata)

左のトンネルを潜ると、グロンダレッラの小道。トンネルを潜って左側、下の写真では右側、上部は近代の煉瓦だが、下部分はOpus Reticulatum(Opera reticolata)と呼ばれる、小さな四角い石を菱形に重ねていく、ローマ時代の建物の壁を作る技法。

このグロンダレッラの小道を抜けると。。。

この町の守護聖人に捧げられた、聖ブラシウス教会 Chiesa di San Biagio

に出る。1756年完成。1500年代の布に描かれた、降誕 “Natività” ジョヴァンニ・バティスタ・リッチ(Giovanni Battista Ricci)作がある。

グロンダレッラの小道だけでなく、目抜き通り(Corso Umberto I)にも、この町で見つかったローマ時代の遺跡が建物に貼り付けられているのが見られる。


マニャンテ広場 Piazza Magnante 中世ルネッサンス期のSilos

2007年に道路の舗装をしている時に、偶然見つけられた、Silosと呼ばれる、中世ルネッサンス期の麦やその他の食材を 保管する場所。33つの穴があります。その後、必要ではなくなった時に、ゴミ箱として使ってたため、中からガラスや陶器、ブロンズ製品の欠片が発見された。 ルネッサンスの時代のこの町にいたアングイッラーラ家の権力の強さが、 これらから知ることができる貴重な発見。


クローディア街道 Via Clodia


ブラッチャーノ湖 Lago di Bracciano


湖底の約8000年前の街 ラ・マルモッタ "La Marmotta"

出土品は、Museo Nazionale Preistorico Etnografico Luigi Pigoriniに展示。



街の頂の教会が長年修復されていたため、サン・ビアジョ教会やサン・フランチェスコ教会に人が集まり、多くの美術品が制作された。

(次回訪れる)

サン・フランチェスコ教会 Chiesa San Francesco

1400年代の教会。フレスコ画

湖沿いの教会 Chiesa medioevale della Madonna delle Grazie sul lungolago

聖母子のフレスコ画。

ローマ時代の邸宅のサント・ステーファノ教会の壁 Villa romana delle Mura di Santo Stefano

2世紀半ばのヴィッラ、貯水槽。9世紀の教会跡。

クラウディア帝 Villa Claudia

1934年にミネラルウォーターのための工事中に発見されたヴィッラ跡。それぞれのニッチに、水を貯める壺があった。

ローマ、トラステヴェレ地区まで給水していたが飲料には適していなかった、アルシエティナ水道(Aqua Alsietina)があり、現在もローマのトラステヴェレ地区へと供給されているトライアーナ水道(パオラ水道 Acqua Paola)がある。


飛行機からの景色

左がブラッチャーノ湖、右の小さいのがマルティニャーノ湖。手前の町が、アングイッラーラ。



イベント

魚の収穫祭 Sagra del Pesce ad Anguillara    

場所 モーロ広場 Piazza del Molo 

時期 6月半ば


9月8日聖母のイベント

Festa di settembre in onore della Madonna delle Grazie 

  • Torneo dei rioni (luglio) 
  • Sagra del pesce (fine giugno-inizio luglio) 
  • Broccoletti in piazza (fine marzo)

家並み写真集

プロッフェルロ(Profferlo)と言われる、中世後期の家

階段の下に入り口があり、工房や、蔵として使われていた。 特に、ラツィオ州でよくみられます。







交通

鉄道



旅行記


参考

イタリア・バーチャルツアー

ProLoco

EDICOLANTEのイタリア小さな可愛い街の旅行記とコラム

イタリア在住15年。現在住んでいるローマを中心に旅した記録をまとめるサイトです。 ブログは、ほぼ毎日アメーバブログで書いています。 http://ameblo.jp/edicola コラムニスタとしてイタリア関連の記事も書いています。 お気に入り旅写真をアップし、地域別におすすめイタリアの小さな可愛い街の旅行記をまとめていきます。

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