サン・ジョヴァンニ・デイ・フィオレンティーニ聖堂 Basilica di San Giovanni Battista dei Fiorentini

サン・ジョヴァンニ・デイ・フィオレンティーニ聖堂(Basilica di San Giovanni Battista dei Fiorentini)は、フィレンツェの主聖人、洗礼者ヨハネに捧げられた教会。16世紀頃、周辺はフィレンツェ出身者が集まる地域となり、動物も入れる教会となった。


歴史

教会前の広場には、古代ローマ時代凱旋門があった。

1508年ユリウス2世の命で、ブラマンテ設計のヴァチカン方面からカンピドリオ方面へ1キロ以上の直線道路ジュリア通りができた。それに合わせ周辺には多くの邸宅が建ち並び、教会も建設。

メディチ家出身のレオ10世ミケランジェロラファエッロなど多くのアーティストに依頼。1519年にヤコポ・サンソヴィーノに依頼したが、建設現場での事故により作業を断念せざるを得なかった。16世紀末にジャコモ・デッラ・ポルタにより本格的に建設された。


外観

ファッチャータは1734年から1738年にアレッサンドロ・ガリレイ設計。しかし完成1年前に亡くなった。

クーポラカルロ・マデルノ設計。


教会内部

バジリカ様式で三廊式。側廊に5つづつ礼拝堂がある。基本設計はジャコモ・デッラ・ポルタ

主祭壇

カルロ・マデルノとボッロミーニの墓がある。

★ コルトーナとボッロミーニ

アプスは1640年代まで装飾はなかったが、オラツィオ・ファルコニエーリの命で、ピエトロ・ダ・コルトーナの設計のバロック様式で装飾。

1634年、ピエトロ・ダ・コルトーナの木製作品が20年展示され続け、アルガルディやベルニーニ、ボッロミーニなど他のアーティストに影響を与えた。

1656年、ボッロミーニはコルトーナ作品を残しつつ修復した。

主祭壇の大理石の彫刻はアントニオ・ラッジ作『キリストの洗礼』

主祭壇両側の壁

主祭壇両側の壁のファルコニエーリ家の墓碑は、ボッロミーニが作り始め、チーロ・フェッリが完成させた。ひとつは壁龕になっているタイプで、もう一つはコルトーナ風に戴冠デザインとなっている。フェーデ像 statue della Fede (Ercole Ferrata) 、 カリタ像 Carità (Domenico Guidi)漆喰装飾の天使がファルコニエーリ家の肖像を掲げている。

アレッサンドロ・ファルコニエーリとマリアンナ・ランテの墓碑は、Paolo Benaglia作。

フランスとCottanelloから運んだ祭壇の赤い大理石をForza (di Leonardo Reti) とGiustizia (di Michel Anguier)が持ち上げている。


入り口ドア両側

★ モキ作『サン・パオロ』

★ モキ作『サン・ピエトロ』


側廊

多くの墓碑がある礼拝堂。アレッサンドロ・アルガルディ(Alessandro Algardi)とランフランコ(Lanfranco)の絵画作品がある。

マドンナ・デッラ・ミゼリコルディア礼拝堂と、サッケッティ礼拝堂には、像と金と漆喰の浮き彫り彫刻で飾られている。

★ サッケッティ家の礼拝堂

マッダレーナ・チェッリーニの足 Reliquiario del piede di Maria Maddalena Cellini 

アフリカの黒い大理石とブロンズが交わった十字架と、ランフランコの絵画

★ ベルニーニ

ギリシャ十字の側廊にベルニーニ作の『アントニオ・バルベリーニの胸像』、エルコレ・フェッラータ作『オッタヴィアーノ・アッチャイオーリ』、ドメニコ・グイーディ作『フランチェスコ・デ・ロッシ』がある。


★ フランチェスコ・モキ作『キリストの洗礼』


  • Francesca Riccardi (di Antonio Raggi,1655),
  • monumento ad Alessandro Gregorio Capponi (Ferdinando Fuga e scolpito da René-Michel Slodtz nel 1746)
  • monumento a Girolamo Samminiati (da Filippo della Valle,1733)
  • busto di Clemente XII Corsini (da Filippo della Valle,1750)

カルロ・マデルノフランチェスコ・ボッロミーニがここに永眠する。

  • Luigi Maria Torregiani
  • Lodovico Cardi
  • Onofrio del Grillo o Ansaldo Ansaldi も。

クリプタ(地下祭壇)

ファルコニエーリ家のクリプタ

ボッロミーニ設計の楕円形で、天井は低く、ヤシの2つの枝、リボンとリースの楕円の漆喰装飾が施されている。

テヴェレ川の近くにあるため、水の侵入が頻繁に起こるため、使用されていない。


サン・ジョヴァンニ・デ・フィオレンティーニ博物館

★ ミケランジェロ作『洗礼者ヨハネ像』


★ ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ作『アントニオ・チェッパレッリの胸像』

『アントニオ・チェッパレッリの胸像(Busto di Antonio Cepparelli)』教会隣にあった病院、フィレンツェの医者の胸像 1622年 1900年代に教会地下から発掘


★ ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ作『アントニオ・コッポラの胸像』

『アントニオ・コッポラの胸像(Busto di Antonio Coppola)』教会隣にあった病院、フィレンツェの医者の胸像 1900年代に教会地下から発掘 長く父ピエトロの作とされてきたが、父親は肖像を作ったことがないため、13歳の息子ジャン・ロレンツォの作品だと言われるようになった。頭部に手術の跡、目はくぼみ頬がこけているリアルな肖像

  • ピエリーノ・ダ・ヴィンチ作 rilievo della Vergine e Sant’Anna col Bambino di Pierino da Vinci
  • アントニオ・ラッジ作 crocifisso in bronzo 
  • マッダレーナ・チェッリーニの足 reliquiario del piede di Maria Maddalena Cellini 
  • ルイージ・ヴァラディエ grande ostensorio d’argento di Luigi Valadier

など貴重な作品が多数展示。


Wikipedia Museo San Giovanni de' Fiorentini

2001年開館。住所 via Acciaioli 2

博物館公式ホームページ


情報


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イタリア在住15年。現在住んでいるローマを中心に旅した記録をまとめるサイトです。 ブログは、ほぼ毎日アメーバブログで書いています。 http://ameblo.jp/edicola コラムニスタとしてイタリア関連の記事も書いています。 お気に入り旅写真をアップし、地域別におすすめイタリアの小さな可愛い街の旅行記をまとめていきます。

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