カプア Capua
カンパニア州 カゼルタ県
カプア Capua 新カプア(カプア・ノヴァ)
現在のカプア、新カプア(Capua Nova)は856年に古代カプアの人々により、川の船舶所として使っていたカジリヌム(Casilinum)と呼んでいた場所に建てられた。
9世紀に、ロンゴバルド族の領地になり、10世紀から12世紀にかけて、カプア公国 (Principato di Capua) の首都だった。
アッピア街道
カプアは、アッピア街道、ラティーナ街道、ポッピリア街道が交差する主要都市だった。
カプア公国 Principato di Capua
カプア公国は、中世の頃、中部イタリアの主要国家であった。
ドゥオーモ(大聖堂)Cattedrale di Maria SS. Assunta in Cielo
856年建設。10世紀後期のエルベオ司教vescovo Erveo (1073-1081)の伝説とともに改築された可能性もあり、18世紀に更に改築されたが完全に破壊され、後に修復。装飾には、旧カプアの円形競技場から運び込まれた円柱やサルコファガスなどが使われていると思われる。
鐘楼
11世紀の鐘楼は下部が石だが、上部が煉瓦と凝灰岩が交互に重ねられて出来ているのは、先端は15世紀に崩れたからである。
鐘楼の装飾
教会内部
興味深い装飾品が数多くある。
10世紀頃の洗礼用の聖水桶の土台には、四面のレリーフ、4人の福音書記者の象徴(マルコ- 獅子、マタイ-人(天使)、ルカ-雄牛、ヨハネ-鷲)が施されている。
回廊
教会正面入ると、1400年代後半に広げられたジョルダーノ・ガエターニ設計の中庭がある。
現在見られるのは18世紀に修復された、古典的なカピテッロと円柱が並ぶ長方形の回廊。
司教区博物館(Museo Diocesano)と観光案内所がある。下の写真は1992年に開館された博物館入口。ローマ帝国時代の大理石の骨壷、アントニアッツォ・ロマーノの作品『『聖ステーファノと聖女ルチーアの間にいる聖母子』』が必見。
カプア博物館 Museo provinciale campano di Capua
次回訪問
紀元前5世紀の母の神(Mater Matura)に捧げられたara votiva の遺跡。
ナポリ門 Porta Napoli
1577年と1582年のカプアの建築家アンブロージョ・アッテンドロ(Ambrogio Attendolo)の計画で、スペイン王フェリペ2世(Filippo II)に捧げられ建てられた。ナポリにあるカプア門(Porta Capuana di Napoli)を参考にしている。
星形要塞 Fortificazione alla moderna
星形要塞は火砲に対応するため15世紀半ば以降のイタリアで発生した築城方式。
ローマ時代の橋 Ponte romano
ヴォルトゥルノ川に架かる古代アッピア街道の橋。カジリヌム(Casilinum)と呼ばれる古代カプア人が使っていた船舶所があった。第二次世界大戦中で爆撃に遭い、戦後に再建された。
サンティッシマ・アンヌンツィアーナ教会 SS. Annunziata
この教会内の中庭にバール(Zahir café)がある(未確認、次回訪問)
ドメニコ・フォンターナのクーポラ(丸屋根)
ドメニコ・フォンターナ設計。
ジューディチ広場 Piazza dei Giudici
市庁舎 Comune
Palazzo di Giustizia o del Governatore
付近の建物とともに、何度も建て直された。 現在観られるのは、アンブロージョ・アッテンドロ(Ambrogio Attendlo)設計で、彼が1585年に亡くなった時は未完成だった。
1593年に、アレンガリオ(Arengario)という中世都市国家の演説用のバルコニーが設置された。ジューディチ広場の丁度真ん中で演説できるように建物の端にバルコニーがある。
S.P.Q.C.
サンタ・マリア・カプア・ヴェーテレ、旧カプアの円形競技場から運ばれてきた
マスケローネが市庁舎建物正面に貼り付けられている。
聖エリージョ教会 Chiesa di Sant'Eligio
市街中心部、ジューディチ広場 (Piazza dei Giudici) の市庁舎隣にある教会。
何度も修復され1747年に現在見られる後期ナポリ風バロック様式のファッチャータ(正面)が作られた。鐘楼は1514年から1524年に、マロッキ通りVia Mazzocchiに面して古い鐘楼が見られる。
オルガンと主祭壇はナポリ人建築家作。絵画で最も重要なのは、フランチェスコ・ソリメーナ(Francesco Solimena)の弟子の大きな祭壇画『Madonna in trionfo e due santi』。15世紀初め頃の木製の『償還』がある。
アーチのある建物 アレッシオ・マッゾッキのアーチ Arco Alessio Mazzocchi
1400年代のアーチがある建物。カプアの市民たちの手により、旧カプアの円形競技場の遺跡から運び出し、ここに展示していた。旧カプア出身の考古学者アレッシオ・マッゾッキ(Alessio Simmaco Mazzocchi)が貢献したため、彼の名が付けられた。
ウディエンツァ宮殿 Palazzo dell'Udienza
マヨルカ焼きのこの時計は、1700年代から存在する可能性あり。 カプアの重要な歴史家、フランチェスコ・グラナータ(Francesco Granata)の1752年の著書には、1500年代に市民のための時計がこの広場の教会にあったことが記述されている。オリジナルは現在はない。
ランツィのロッジャ Loggia dei Lanzi
Edificio della gran guardia o bivach
1608-1611年に建設。政府宮の側の監視員のための建物だった。碑文と紋章から、1675-1676年の修復時にはカルロ2世の像が飾られていたことがわかるが、現在見られるのは1870年頃に改築された擬古典的なものである。
リッチャルディ劇場 Teatro Ricciardi
18世紀半ばには既に存在していた。現在見られる建物は、1781年の Francesco Gasperiが建てたものだが、正面は1929年のネオ・クラッシコ様式である。
石の城 Castello delle Pietre
ノルマン人時代に敵から守るために作られた城壁外に建てられた"Castrum Lapidum"と呼ばれていた城。現在は、サンタ・マリア・カプア・ヴェーテレの円形劇場の建物から剥がされた石を使った要塞と塔が残る。
(次回訪問)
フィエラモスカ宮殿 Palazzo Fieramosca
次回訪問
城 Castello di Carlo V
1500年代中頃 カール5世 (神聖ローマ皇帝)
現在一般公開はしていない。
カプア郊外
サンタンジェロ・イン・フォルミス修道院 Abbazia di Sant'Angelo in Formis
ローマ帝国時代のディアーナの神殿(Tempio di Diana Tifatina)があった場所に、11世紀後半に建てられたベネディクトゥス派の修道院。ビザンチン、カンパーニャ州様式(bizantino-campano)南イタリアの重要な中世の建築物の一つである。
アクセス
カプア駅
写真集
16世紀の星型要塞
金メダル広場(Piazza Medaglie d'oro)の噴水
2011年にヴェネチア・ビエンナーレ(54ª Esposizione Internazionale d’Arte la Biennale di Venezia)に置かれたオブジェ。インフォポイントモニュメント・フィエラモスカ(FIERAMOSCA info-point monument)2016年にカプアに設置。
ブログ 旅行記
参考
Casilinum
カプア Wiki
カプアの大聖堂について Italia nell'Arte Medievale
0コメント