サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂 Basilica di Santa Maria Maggiore

ローマにあるカトリック4大聖堂のひとつ聖母マリアに捧げられた教会

ローマのバジリカ建築の最高傑作だと言われている。ローマの4つある大聖堂でも唯一、コスタンティヌス帝が建てていない。

360年建設から1700年代までの間に様々な手が加えられたが、教会内部は建設開始当初からあまり変えられていない。

現在の礎となる大聖堂は教皇シクストゥス3世が建築開始。シクストゥス5世礼拝堂の下の祭壇にキリスト誕生時に使われた揺りかご(かいば桶)が奉られたため、当時は“サンタ・マリア・アド・プラエセぺ聖堂”と呼ばれていた。


★ マーニャ・マーテル神(キュベレー)

古代ギリシア、古代ローマにも信仰があった大地母神キュベレー神の神殿があった場所である。ローマ神話ではマーニャ・マーテル(Magna Mater「大いなる母」)に対応する神。キュベレー信者はこの教会の地下に潜伏していた。


★ 伝説

358年8月4日から5日にかけての真夜中、裕福なジョバンニ夫婦の前に聖母が現れ、この日、雪が降る場所に教会を建てよ。とお告げがあり、長年貯えたお金を使い建設された。そのため、初期はサンタ・マリア・デッラ・ネーベ(雪の聖母)と名付けられていた。

そのため毎年8月4日から5日にかけ、教会前の広場では真夏に雪が降る奇跡的イベントが再現される。


外観

★ファサード

教会右側は1600年代の建物で、教会左側は1700年代のものであるが、トラバーチンと煉瓦で似せて作られている。この二つの建物を統一させるために作られたのが、この18世紀のファサードで、ローマ教皇パウルス5世の命で、フィレンツェ出身のフェルディナンド・フーガ設計バロック様式である。

入り口の柱廊は12世紀。


★ 鐘楼とクーポラ

1377年教皇グレゴリウス11世ローマで一番高い位置にある鐘楼。75m。

★ マデルノ作の“平和の円柱”

1600年、パウロ5世によりフォロ・ロマーノマクセンティウスのバジリカから運ばれた大理石の円柱。上にはマリア像。マデルノ作。ファサードの広場に設置された。

★ファサード前の噴水


後陣側ファサード

上の写真はWikipediaより拝借

★ オベリスク

大聖堂裏の広場にあるオベリスクは、アウグストゥス帝の墓に飾られていた2本のオベリスクのうちの1本である。もう一本はクイリナーレ宮殿前の広場に設置されている。


★聖なる扉



教会内部

36本の大理石のイオニア式の円柱で仕切られた三廊式の内部。

モザイクと壁画


★主祭壇

教会奥の主祭壇上のアルコ・トリオンファーレ(アーチ装飾)には、ローマ教皇シクストゥス3世の頃(432年~440年)のビザンチン様式モザイクで飾られている。

モザイクに書かれている“XYSTUS”はローマ教皇シクストゥス3世のこと。

上の写真はWikipediaより拝借

主祭壇には、1295年、イヤコポ・トッリーティ作の『聖母戴冠 incoronazione della Vergine』を描いたモザイク。この頃のローマの人気作家だった。

年度と名前が書かれている部分があるので次回探す。

上の写真はWikipediaより拝借

祭壇右側には、1299年、コズマーティ様式の枢機卿ロドリーゲツの墓。


★ バルダッキーノ(天蓋)

1740年頃のブロンズ製の祭壇天蓋はフェルディナンド・フーガ作。神殿の形をしている。

上の写真はWikipediaより拝借

★ クリプタ(地下祭壇)

1200年代後期、トスカーナ出身のアルノルフォ・ディ・カンビオ作の大理石のプレセペが展示されている。

上の写真はWikipediaより拝借

★ キリストの揺りかご

膝まづいた大きな大理石像の前には、イエス・キリストの使っていた揺りかご(かいば桶)の木片が納められている。以前は近くの大理石のプレセペと一緒に展示されていた。

上の写真はWikipediaより拝借

★格子天井

教会入り口近くの格子天井には、コロンボアメリカ大陸から運んだ金を使用して装飾された。


右廊

★ システィーナ礼拝堂

1586年、教皇シクストゥス5世の命でドメニコ・フォンターナ設計。古代ローマ遺跡から運ばれた大理石に壁を覆われた装飾。教皇シクストゥス5世の墓がある。

上の写真はWikipediaより拝借

★ ベルニーニ家の墓

天蓋とシスティーナ礼拝堂近くに、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニも眠る1600年代に彫られたベルニーニ家の墓がある。簡素な大理石の墓石で、ベルニーニの名が刻まれている。


★ ピエトロ・ベルニーニ作『被昇天』

1607年~1610年、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの父であるピエトロ・ベルニーニ作『被昇天Assunzione』


左廊

★ パオリーナ礼拝堂

ボルゲーゼ家出身のローマ教皇パウルス5世の礼拝堂で、パウルス5世とクレメンス8世がここに永眠する。フラミニオ・ポンツィオ設計。16世紀のグイード・レーニのフレスコ画も必見。

上の写真はWikipediaより拝借


★ スフォルツァ礼拝堂

ジャコモ・デッラ・ポルタ設計だが基礎設計はミケランジェロ作だと言われている。


アントニアッツォ・ロマーノ『聖ルカと聖母子』のレプリカ

1461年 スフォルツァ家のアレッサンドロ・スフォルツァの依頼(次回探す)


博物館

★ 世界一古いプレセピオ 




写真集

2012.02.01 雪景色

コズマーティ様式の床

高い位置にあるモザイク画

ファサード裏のステンドグラス



ブログ

2020.08.19


2012.12.25


参考・引用

Wikipedia

EDICOLANTEのイタリア小さな可愛い街の旅行記とコラム

イタリア在住15年。現在住んでいるローマを中心に旅した記録をまとめるサイトです。 ブログは、ほぼ毎日アメーバブログで書いています。 http://ameblo.jp/edicola コラムニスタとしてイタリア関連の記事も書いています。 お気に入り旅写真をアップし、地域別におすすめイタリアの小さな可愛い街の旅行記をまとめていきます。

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