アッピア旧街道 カペーナ門からチェチリア・メテッラまで
アッピア旧街道の起点のカペーナ門があった辺りから、チェチリアメテッラの墓まで、0地点から3マイル目の、見どころをまとめた。
出発地点
★ カペーナ門 Porta Capena 現存しない
チルコ・マッシモとカラカラ浴場の間、現在のポルタ・カペーナ広場(Piazza di Porta Capena)にかつて存在した門。セルウィウス城壁に設けられた数ある城門のひとつ。
アッピア街道とラティーナ街道の起点。残念ながら現在は残存していない。
カメーネ神が住んでいた。
セルウィウス城壁のカペーナ門の外に神聖な森があり、そこに祀られていた。カルメンタがリーダーとされていて、カペーナ門外の森と泉はカルメンタに捧げられたものである。カルメンタの祭であるカルメンタリア祭では、ウェスタの巫女がその泉から儀礼用の水を汲んだ。
地下鉄B線チルコ・マッシモ駅
カラカラ浴場通り
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サンタ・マリア・イン・テンプロ教会(Santa Maria in Tempulo)左
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★ カラカラ浴場 Terme di Caracalla 右
セプティミウス・セウェルス帝の計画を引き継ぎ、212-216年に、皇帝カラカラが造営したローマ浴場跡。
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★ サン・シスト・ヴェッキオ教会 Chiesa di San Sisto Vecchio 左
古い教会をインノケンティウス3世が修復し、聖ドミニクスに捧げた。ロマネスク様式の鐘楼は当時のもの。1724-30年にかけて教皇ベネディクトゥス13世の命で、フィリッポ・ラグッツィーニが改修。回廊に遺構が見られる。
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★ サンティ・ネレオ・エ・アキッレオ教会 Santi Nereo e Achilleo 右
337年には存在した建物を、レオ3世が修復。内陣大アーチのモザイクは、800年頃のもの。15世紀に全体を改修。1597年枢機卿バロニウスの要請でフレスコ画が描かれた。
交通量の多い大きな広場 Piazzale Numa Pompilio
★ サン・チェザレオ教会 Chiesa di San Cesareo in Palatio 右
2世紀の建物の上に16世紀に建設された教会。床に2世紀の白黒モザイクの海景画がある。カヴァリエル・ダルピーノの下絵に基づくアプシスのモザイク『永遠なる神』と、アーチ上のモザイク『受胎告知』が必見。
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★ ドルススのアーチ Arco di Druso
カラカラ浴場に給水する水道橋の一部だった。
城壁博物館の上からの景色。
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★ アウレリアヌス城壁 Mura aureliane
271年から275年、ローマ皇帝アウレリアヌスとプロブスの治世の間につくられた ローマの城壁。
★ サン・セバスティアーノ門 Porta San Sebastiano
門の下の落書き
★ 城壁博物館 Museo delle Mura
apertura mar- dom 9.00-14.00. Lunedí chiuso
中心街側の景色
アッピア旧街道。城壁博物館の上からの景色。アウレリアヌスの城壁内が見学できる。
★ 城門前の噴水
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旧アッピア街道
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★ 1マイルストーン
via Cilicia と線路の高架下を歩くと、第1マイル柱石がある。
カペーナ門から1マイル、1000歩目にあたります。ここに現在あるのはコピーで、オリジナルはカンピドリオに移設された。
カンピドリオの丘にある、オリジナルのⅠマイルストーン
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この辺りはマルスの坂と呼ばれている坂道になっており、近年に発見された
★ マルス神殿 santuario di Marte
アルモネ川の氾濫で泥に埋め尽くされていた。紀元前4世紀頃の、27x16㎡の建物に、1m20cmの壁のフレスコ画が見つかったが、1970年に再度埋められ隠された。
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★ 高架下の墓跡 TOMBE SOTTO IL CAVALCAVIA
高架下に隠された紀元1から2年の墓があるそう。
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★ MAUSOLEO IN UNA CASA
アッピア旧街道19番地に、墓が個人宅に改造されたものがある。南イタリア、ヴェノーザ(Venosa)出身の詩人のホラティウスがここまでやってきた記念に建てられたもの。
ホラティウスの墓(Sepolcro di Orazio)と呼ばれているが、エスクイリーノに本物の墓がある。
(写真なし)
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★ グラディエーター・スクール Gladiator School Rome - 'Gruppo Storico Romano ' 右
予約をすれば見学、体験可能な、昔のスポーツ観戦場。会員だけイベントなどに参加できる。
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アルモネ川
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★ カルティエーラ・ラティーナ Cartiera Latina 右
中世の頃からある紙の工場跡。 9.30 - 16.30 (夏期18.30)
これは、羊飼いの家を再現した展示。
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★ プブリウス・セプティミウス・ゲタの墓 Tomba di Geta
プブリウス・セプティミウス・ゲタは、ローマ帝国の皇帝。第21代皇帝カラカラの実弟。大理石で覆われていたけれど、盗まれたか、他の建築物か何かのマテリアルに利用されて現在はこの状態。
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★ レストラン、バール
★ インフォメーションオフィス、レンタサイクル
インフォメーションで地図などがもらえる。古代の宿泊施設があった場所。
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★ プリシッラの墓 Sepolcro di Priscilla 右
1世紀のティトゥス・フラウィウス・ドミティアヌス Tito Flavio Abascanto 解放奴隷 Liberto の妻、プリシッラのお墓。春の第3日曜日だけガイド付きで見学できる。
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★ ドミネ・クォ・ヴァディス教会 Chiesa Domine Quo Vadis 左
公式な名は、パルミスの聖マリア教会 Chiesa di Santa Maria in Palmisだが、Chiesa del Domine Quo Vadis ?で知られている。「主よ、どこへ行かれるのですか?」の意味の教会。
ネロ帝が放った火でローマは火事になり、キリスト教徒が罪を被り迫害されます。聖ペトロが、ローマでの迫害から逃れようとアッピアを旅してた時、目の前にイエスが現れたので、「主よ、どこへ行かれるのですか?」とイエスに尋ねた。ペトロは悟り殉教を覚悟してローマへ戻ったという。この教会にはイエスが残した足跡のコピーがある。
現在の教会は17世紀のもの、1637年 Francesco Barberini が建て直させた。オリジナルのカッペッラは9世紀には存在していました。
キリストの足跡(L'impronta del Quo Vadis)のコピーがある。足跡のオリジナルは、アッピア街道をもう少し先へ行ったところにあるサン・セバスティアーノ聖堂(Basilica di San Sebastiano fuori le mura)に保管されている。これは異教徒からの奉納物(EX VOTO)である。
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ここから、アルデアティーナ通り 右 アッピア旧街道 左 に別れる。
アッピア旧街道を歩いて直ぐのところで、左に行ける細道がある。ここからカッファレッラ公園へ入れる。
★ CAPPELLA DI REGINAL POE
1539年、イングランド王のヘンリー八世の宗教改革(離婚騒動)に対立していた枢機卿レジナルド・ポールのために建てられた。この場所で枢機卿は暗殺されそうになるが、陰謀を逃れることができた。後に、奉納祭 ex-voto に、この小堂 Cappella が作られた。
★ カッファレッラ公園 Il Parco della Caffarella
聖ウルバヌス教会 Chiesa di Sant'Urbano alla Caffarella がある。
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サン・カッリストのカタコンベの入り口
平日はサンセバスティアーノ門からチェチリアメテッラまでの、アッピア旧街道は開いており、歩行者のための十分なスペースがないので、歩行に注意しよう。
アルデアティーナとアッピアの通りの真ん中に、教会やカタコンベに続く通りがあり、坂道になるが、とても爽快な景色が楽しめる。
★ 聖タルチシオ 教会 Istituto Salesiano S.Tarcisio
聖タルチシオ San Tarcisio 3世紀のキリスト教の殉教者 (Roma, 263 頃 – Roma, 275) の教会。
ローマ帝国時代のイタリアでは、キリスト教は弾圧されていたため、キリスト教の信仰を持った人はカタコンベなどで密かに集まり、祈りを捧げ、信仰を守っていた。
祈りで重要になるのは司祭によって聖別された聖体であり、ミサを捧げるのに必要なものであった。
タルチシオはこの聖体を運ぶ役割を司祭から受け、密かに信者のもとへ運び届けていた。
しかし、ある日 聖体 l'eucaristia を運んでいる途中に見つかってしまい、石で打ち殺され、殉教する。
石で打たれた時も、運んでいた聖体を胸に抱いて守り続け、奪わせなかったという。
そのため、肖像画や彫刻は胸に聖体を抱いているようなポーズが多い。
少年であったといわれ、また聖体を運んでいる最中に殉教したため、侍者の守護聖人として知られる。
杉の木は死を象徴すると思われていたため、イタリアの墓場に植えられていることが多い。
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★ カタコンベ・ディ・サン・カッリスト(地下墓所)
駐車場あり。
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アッピア旧街道
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★ 古代ローマの納骨所 Colombario dei liberti di Augusto の中にあるレストラン
現在は Hostaria Antica Roma というレストランとして使われている。
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★ 2マイルストーン 左
第2マイル柱石がある。
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★ 墓廟群 Torre dei Sepolcri 左
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★ レストラン Ristorante Cecilia Metella 左
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★ サン・セバスティアノ・フオーリ・レ・ムーラ聖堂 右
聖ペテロと聖パオロの聖体が一時ここに埋葬されていた由緒ある教会。
★ カタコンベ(地下墓地)
カタコンベの言葉がここから来ている。
教会内のバールで休憩できる。
★ 教会前の噴水
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★ ロムルスの廟 Mausoleo di Romolo 左
309年。
★ マクセンティウスの競技場 Villa di Massenzio 左
3世紀初期のマクセンティウス帝が運営していた。火曜ー土曜 9.00-16.00. 月曜閉館
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★ レストラン Garden Ristò 右
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急な上り坂
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★ チェチリア・メテッラ・エ・カストルム・カエタニ霊廟 Cecilia MetellaTomba Cecilia Metella 左
アッピア旧街道でも、高い場所に建てられ、遠くからでも目立つ存在。この地点からローマ方面へ入る時、パスポートのようなものが必要で、高い通行料を払わなければならなかった。
火曜ー日曜 9.00 から日没まで。 月曜閉館。
この墓から見つかった遺構が壁面に装飾されている。
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★ 聖ニコラ教会跡 Chiesa di San Nicola a Capo di Bove 右
崩れて一部しか残っていないが、ゴシック様式の教会だった。
地下鉄A線コッリ・アルバーニ駅から、ここまで市バス660番で来れる。
★ レストラン Quì nun se more mai 右
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★ バール Caffe' Dell'appia Antica 左
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★ 3マイル
ここ第3マイル辺りから見る夕景は最高。
日本のガイドブックには、アッピア旧街道の情報はここ、チェチリアメテッラまでのものが多いが、この先、まだまだ見どころは続く。この先も旅を続ける場合は、アクセスが悪く、食事や水分補給できる場所が少なくなるので、計画的に。
★ エジェリア公園 Parco Egeria
左のチェチリア・メテッラ通りを歩いて、アルモネ通り(Via dell'Almone)に入り右側に公園がある。週末は有機野菜や果物の市が出て、夏はプールで遊べてレストランもあり、エジェリアのミネラルウォーターも飲むことができ、空のボトルに詰めて持ち帰ることもできる。ミネラルたっぷりの硬水。
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