フォルム・ボアリウム Foro Boario

紀元前8世紀にはすでにエトルリア人、カンパーニア人、ギリシャ人やフェニキア人の商業地として存在し、テベレ谷の道とエトルリアとカンパニアから来る道路が合流していた。近くの隣接する河川港ポルト・フルヴィアエ (Portus Tiberinus) を頻繁に訪れ物々交換が行われていた。つまりローマ建国の前である。ここはローマで最も古い城壁の外側にあるエリアだった。

テヴェレ川の洪水で、この辺りは沼地となったため建設された下水道クロアカマキシマは世界最古の下水道である。


★ 様々な神が宿る場所

ローマのテヴェレ川沿いのこの地域は、紀元前から聖地とされてきた。

フォルム・ボアリウム(Foro Boario)と聖オモボノの聖地(Area Sacra di Sant'Omobono)のフォルム・ホリトリウム(Foro Olitorio)は、エトルリア時代に、フォルトゥーナの神殿(Tempio della Fortuna)と、偉大なる母の神殿?日本語では?(Tempio della Mater Matuta)の、2つのエトルリア人の作った神殿が存在した。

ローマ時代には、サンタ・マリア・イン・コスメディン聖堂(Basilica di Santa Maria in Cosmedin)のクリプタにもみられるエルコレの大祭壇の神殿(Tempio dell'Ara Massima di Ercole)や、現在も見ることができる、征服者ヘラクレスの神殿(Tempio di Ercole Vincitore)とポルトゥヌス神殿(Tempio di Portuno)がある。

ヘーラクレースの指導の下で、塩の市場としても繁栄した。そして、家畜牛の卸市場に。そのためこの地域は、家畜牛の卸市場(Foro Boario)と名付けられた。


★ 家畜牛の卸市場

古代ローマ時代は、家畜牛の卸市場として賑わっていた場所である。テヴェレ川の氾濫で土に埋もれるまでは、ローマが存在する以前から、エトルリア人、ギリシャ人、フェニキア人の商業地として発達していた。


★ 古代の主要道路

カンピドリオの丘とアヴェンティーノの丘の間で、テヴェレ川右岸のチルコ・マッシモやヴェラブロ、ヴィーコ・イウガリオ(Vico Giugario、ウィクス・ユガリウス Vicus Iugarius)、真実の口のある教会の間に位置する。つまり古代ローマの卸市場があった場所である。

ウィクス・トゥスクス(Vicus Tuscus)とヴィーコ・イウガリオによりフォロ・ロマーノとつながっている。


★ ローマ神話伝説

ローマ神話では、ヘーラクレースはパラティーノの丘の先住民が崇拝していた神である。ヘーラクレースは、ゲリュオン(Gerione)が飼っていた牛の群れを盗み出したカークス(Caco)という怪物盗賊を退治した。とされている伝説が、まさにこの場所である。

この神話の他に、近くのヴェラブロという地域では、ローマ建国神話のロムルスとレムスの双子が川に流されてたどり着き、雌狼の乳で育てられた場所でもある。


出土品

★ 金のエルコレ像 

金のエルコレ像(Statua di Ercole in bronzo dorato)は、フォルム・ボアリウムの古代ローマ時代の聖地だった、エルコレ神殿跡(ヘラクレスの大祭壇、Ara Massima di Ercole)からシクストゥス4世の時代に出土。紀元前2世紀。現在コンセルバトーリ美術館蔵。


★ カピトリーノの雌狼 Lupa Capitolina

ローマ建国伝説のロムルスとレムスがオオカミのお乳を飲んでいるシーンのブロンズ像 。コピーが、カンピドリオの広場から、サン・ピエトロ・イン・カルチェレ通り(Via di San Pietro in Carcere)に入って直ぐの右側にある。 オオカミは紀元前6世紀のもので、ティベリーナの谷からローマに運び、双子の像は、ローマ人により後から付け加えられたと言い伝えられている。しかし最近の研究で、現存するのは中世の頃のもので、 双子はおそらくアントニオ・デル・ポッライオーロが15世紀末に作ったということが発表されている。現在コンセルバトーリ美術館蔵。


★ 金の牛の像

フォルム・ボアリウムには、ギリシャの島(Isola di Egina)で制作されたと思われる、金の牛の像が置かれていた。

ロムルスは牛などの動物を使い、彼の新しいローマの街の周辺を耕していた。


見どころ

★ サンタ・マリア・イン・コスメディン教会とエルコレ神殿

サンタ・マリア・イン・コスメディン教会(Basilica di Santa Maria in Cosmedin)とエルコレ神殿 (Tempio dell'Ara Massima di Ercole)

詳しくは下のページへ(未完)


★ 真実の口 クロアカ・マキシマ

古代ローマの下水

詳しくは下のページへ


★ 征服者ヘラクレスの神殿 Tempio di Ercole Vincitore


★ ポルトゥヌス神殿 Tempio di Portuno


★ トリトンの噴水 Fontane dei Tritoni

詳しくは下のページへ



(次回調べる)

★ ティベリヌス港

★ スブリキウス橋 かつて存在した紀元前7世紀の木製の橋

★ 主要道路 ウィクス・ユガリウス は、フォルム・ホリトリウムまで続いていた

★ ウィクス・トゥスクス(エトルリア通り)は、フォロ・ロマーノ、フォルム・ボアリウム(家畜牛の市場)、真実の口広場まで続いていた。


EDICOLANTEのイタリア小さな可愛い街の旅行記とコラム

イタリア在住15年。現在住んでいるローマを中心に旅した記録をまとめるサイトです。 ブログは、ほぼ毎日アメーバブログで書いています。 http://ameblo.jp/edicola コラムニスタとしてイタリア関連の記事も書いています。 お気に入り旅写真をアップし、地域別におすすめイタリアの小さな可愛い街の旅行記をまとめていきます。

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